活動の足跡

自主と秩序の間を探る~エコボール全国会in熊本~

 切れ目のない忙しなさに押し流されがちで、つい即日に報告をしたためる機会を逸してしまいま
した。どうもお久しぶりです。年も替わって2019年。底を破っては少し暖かくなりを繰り返し、安
定しない寒空が続いております。

 さて去る二月二日、各地のエコボール事業所の代表者らが集まる第三回全国会が開かれました。
 今回の会場は九州・熊本。私たち「ドリームボール」が事業所を構える兵庫からはかなり距離の
離れた場所での開催となりましたが、今回は初めて、利用者さんの一人が同行に手を挙げてくれま
した。過去二回は私一人での旅だったため、物理的にも精神的にも大きな進歩です。
 出発前は(新幹線とはいえ)出発前は大移動に疲れてしまいやしないかと正直心配ではあったの
ですが、少なくとも現地での一泊二日の間は、物珍しさと普段得られない経験が上手く相殺してく
れていたようです。おめでとう。お疲れ様。


 今回の会議で特に取り上げられたのは、エコボール事業全体としての方針や各種ノウハウをどう
やって共有してゆくか?

 他の障害者福祉の例に漏れず、一筋縄ではいかないため、この一年で多少の増減はあったようで
すが、エコボール事業を手掛ける団体は年々増加傾向にあります。それ自体は運動の広がりとして
歓迎すべきですし、いち野球人としても喜ばしいことなのですが、集団というは大きくなればなる
ほど足並みが揃わなくなってくるもの。
 しかしそこで無理やり「統一」しようとするのも、また違うと思うのです。多少の大枠こそ決め
ておくにしても、上から押さえつけてしまっては、事業所毎の中で生まれる創意工夫の芽を摘んで
しまう。言うなれば「自主」性──そこからまた他の事業所にも、より効果的なノウハウが伝わっ
てゆくでしょうし、ひいては全体の活性化にも繋がります。問題はいざ新しく門を叩こうとしてく
れる人々に、私達がどれだけのことを等しく教えられるか? その土台作りに尽きると思うのです。

 会議では、そうした現在の課題(中心的役割を担っている宇治みっくつはあつさんの負担軽減)
を踏まえ、外部からの問い合わせに対する共通の回答や行政への働きかけをしやすくする為にも、
組合ないし連盟、幹事会のような“意思疎通の組織”を作ることが提案され、皆さんの賛成を得ま
した。

 「多様」が「無秩序」にならぬよう。但し無理やり縛り付けるのではなく、お互いに緩く擦り合
わせられるよう……。
 まだ作成する前段階ではありますが、今後エコボール事業への参入・離脱に関する規定や事業を
展開してゆく上でのルール、それらをまとめた覚え書きのようなものが出来てゆく筈です。少々窮
屈に感じるかもしれませんが、これも全てエコボール全体の将来の為。既存の内職と併せた利益確
保や、より横断的な工程を設けることで利用者さん同士のコミュニケーションを図るなど、各事業
所から様々な報告がなされる中、短いながらも濃密な会議となりました。
(今回私に同行してくれた利用者さんも、随分熱心にメモを取っていたようです)

 次回、来年の第四回会議は、三重県。
 お伊勢さんこと伊勢神宮を有する、私たちと同じ近畿圏です(定義によっては東海地方に括られ
ることもあるようですが)

 今回初めて利用者さんを連れて行けたこともありますし、来年もまた一人、もう一人と手を挙げ
てくれる方が増えてくれるといいですね。勿論無理強いはできませんが、普段と違う場所へ足を運
ぶというのは、大なり小なり良い経験になる筈です。昔から『可愛い子には旅をさせろ』だなんて
云いますし。自らの殻を破って成長する──その一助にもなるなら、それこそ支援者冥利に尽きる
というものです。

 追伸:馬肉が本当に美味しかった。脂分も少なくてお勧めです。

 今回同行した利用者さん
「共通解……。答えられる人が持ち回りで、専用の掲示板を作るとか。公式サイト?」
 なるほど。それも一つの案かもしれない。
 問題はそれを誰が担うか、運営費用はどうするか、だなあ。

 ひとまずは経過を見守ろう。必要とあらば加わろう。
 そういったものを含めて皆と共有し、話し合う為の全国会だし、擦り合わせてゆくことを止めな
い姿こそが「共に生きる」という在り方でもある筈で。

次なる歳月へ向けて~相談事業所「太陽の家」ほか~

 ただでさえホームページの更新が後回しになりがちで、尚且つ「つぶやき」の側とで頻度自体も
分け合う形となっているため、どうしても新しい記事を追加するのが数ヶ月単位といった状況にな
ってしまっています。申し訳ありません。
(一応こちらでは対外的な、つぶやきでは作業所内のお話という括りで書いているつもりです)

 どうも、お久しぶりです。そう挨拶をした頃にはもう今年もあと僅か。
 本当に時の流れとは早いもので、当事業所「ドリームボール」も先月いっぴで設立から丸四年を
迎えました。一時は主事業であるボール修繕も営業に苦心し、利用者さん達も個々諸々の事情で出
たり入ったりを繰り返していましたが、気付けば幾つかの学校・チームから安定してリピートをい
ただくようになり、利用者さんも当初に比べてすっかり大所帯になりました。事業所自体としての
大きな振れ幅も、ここ暫くでようやく落ち着いてきたように感じます。

 ……さて、かなり事後報告となってしまいましたが、以前(つぶやきの方で)言及しておりまし
た通り、今月から当NPO内において新たに就労相談業務を開始しました。既に関係各所へは専門
の職員が挨拶に回っておりますが、今後は私達の側からも能動的に、支援を必要とされる地域の方
へのニーズの掘り起こし・既存事業者同士の連携などに関わっていきたいと考えています。
 またこれに先だってホームページ内も少し変更を加え、ページ上部のメインメニュー部分の最右
を紹介ページとしました。合わせてご確認ください。

 リンクはこちら⇒就労相談支援事業所『太陽の家』

(尚、スポーツコラムは外部リンクとして、各ページ内の空きスペースに移動させています。まと
まった時間が取れれば、こちらもきちんと整理しておきたいのですが……)

 立地としましては、現B型作業所(ドリームボール)奥の一室を相談室として確保・軽い改装を
済ませており、基本的に暫くはここへ専門の相談員が詰めるという形になるでしょう。
 とはいえ、如何せん私達もこの新しい事業に関しては月日が浅く、不勉強な面もあろうかと思わ
れます。故のご迷惑を掛けるかもしれませんが、それでもこの「太陽の家」及びドリームボールが
たとえ一時であっても、今後利用者さん達の人生にとって一時の避難所となってくれることを切に
願います。……というよりも、物理的に増えた(先述の通り大所帯になった)利用者さん達も既に
現状として、この相談員や職員らと日々賑やかに過ごしてはいるのですが。

 だからこそ、お互いに影響し合っての、今回の相談業務スタートでもあるのでしょう。
 そうしたここ暫くの一連の動きに合わせて、目下当初十人だった定員を倍の二十人に増やす手続
きも進めている所です。更にこれまでと同様、従来のボール修理や内職、隣接する公園内の外作業
に加えて、新たに製菓作業(クッキー作り)も水面下で試行中です。衛生基準等々、詳細はまだま
とまるには時間が掛かりそうですが、いざ軌道に乗ればその増えた定員=利用者さんをカバーでき
る新しい要素となるでしょう。

 その際はまた、別途こちらや「つぶやき」等でお知らせさせていただきます。
 四年が経ってもまだまだ試行錯誤ばかりが続きますが、宜しければ来年もごゆるりとお付き合い
くださいませ。

日進月歩のために~エコボール全国会in香川~

 こちら(足跡)では随分と久しぶりのような気がします。如何せん対外的な動きといったものを
紹介する機会がなく、歳月ばかりが過ぎてゆくのですが、一方それはそれで事業所が概ね平穏無事
であるとの証明であるのかもしれません。

 さて、去る二月十八日、香川・坂出にて各地のエコボール事業所が集まり、昨年に続き二回目の
全国会が開かれました。今回は本部・宇治の事業所さんと共に、私達「ドリームボール」が事例報
告のプレゼンを担当させていただきました。名誉なことです。それだけ、私達──利用者さん達の
頑張りが“実績”として評価されているのでしょう。
(事実、一年で全国のエコボール事業所が受注したボールの一割弱は、私達が担った計算です)

 今回も各事業所毎の取り組み、工夫のあれやこれやが交わされましたが、特に大きな収穫だった
のは、その技術的な部分での情報共有でしょう。
 以前から挙がっていた、安定的なボール確保の為の全国一括受注システム構想(仮)に始まり、
専用のワックス(手縫い用蝋)の使用、新皮を張る際にお勧めな巻き糸・スプレーのりの種類など
今後の修理作業にとってプラスになる情報を多く聞くことができました。特にワックスについては
帰還後すぐに調達し、作業に当たっている利用者さん達(今や熟練工)からも『糸が強くなった』、
『絡まりにくい』『綺麗に縫える』と好評の弁。今までも一個一個を丁寧に仕上げるよう心掛けて
はいたのですが、こうも良いのならもっと早く手を出すべきだったかもしれませんね……。
(当初、蝋を付ければ粘着いてやり難いのでは? と使わない方法を採っていました。見た目上の
差はそれほど変わりませんが、これでより強くより綺麗なボールを提供できるようになると考えて
います。ご容赦ください)

 ややもすれば──実際は相応の技術、ノウハウの蓄積が求められるのですが──単調になりがち
なエコボールの修理作業。
 今や、利用者さんの中にはすっかり慣れ、日がな黙々と集中して何個も仕上げてくださる猛者な
方もいますが、一方でその「静」に耐えられずに他の仕事や外作業=「動」の側に移る利用者さん
もまた少なくありません。単純に個々人の性格と適正の問題なのかもしれませんが、こうして多く
の注文を捌けるようになったのも、実はかなりの僥倖ではないかなあと思うのです。今回も勇んで
全国会に出席し、誉れを受けてきましたが、それも全ては利用者さん達あってのこと。改めて人の
持つエネルギーとその可能性に脱帽する他ありません。

 個々の「できた」を積み重ね、その先を進んでゆく糧として貰うために。
 少しでも良いものを作る。そこから繋がる人々の笑顔と、地域への貢献のために。

 人間はどうしても“慣れ”に満足してしまいがちな生き物ですが、常に試行錯誤──自分を良く
するための姿勢は忘れないようにしたいですね。

(写真左)坂出市 楽笑福祉会 山条理事長あいさつ
(写真右)プロ野球OB会 八木沢会長から 糸の目録贈呈

販路拡大試行錯誤~広がれ、エコボール~

 少々間が空いてしまいました。お久しぶりです。
 今年は初っ端から暑く、空梅雨になるのかなと思っていたのも前半のこと。それも折り返す頃に
はバケツをひっくり返したようなにわか雨がしばしば起こり、特に九州北部一帯を襲った豪雨被害
や先日の一部首都圏での雹など、どうも年を経るごとに空が極端になってきているような気がして
なりません。一体全体、どうなっているのでしょう?

 それでも此処、我々「ドリームボール」は相変わらずの毎日を遅らせて貰っています。
 わいわい或いは黙々と。それぞれに抱える速さを重んじながら、皆さん作業に勤しんでくださっ
ています。ゆっくりと穏やかに──とはいえ、一週間などあっという間に過ぎてゆく日々。空調を
思い切って増設したのは正解でした。これだけ暑いとどうしても消耗します。せめて室内では、休
憩に入って来ている時くらいは、快適に過ごして貰えたらと思います。心なしか、皆さんから聞こ
えてくる笑い声も一際大きくなっているような……?

 さて、遅ればせながら事後報告になりますが、去る六月末に三田を拠点とする独立リーグチーム
『兵庫ブルーサンダーズ』さんとエコボールの契約を結ばせていただきました。先ずは新旧合わせ
て30球ほどを修理・納品。事業所発足以来、プロチームとのお仕事はこれが初めてになります。既
にこの件は先方にも広報され、実は新聞記事にもなっています。これまで以上に丁寧な仕事をする
よう心掛けなければなりません。
 加えて先日、サナギベースボールクラブさんからもまとまった新皮球の依頼がありました。我々
と同じ、就労支援事業所関係者が運営主体となっている少年野球チームです。まだ提供を始めて日
が浅いということもありますが、100球近い数の注文は今回が初めて。徐々に新商品(新皮修理)
も広まってきているようで嬉しくなりますね。

 ──横の繋がり。同業同士のよしみや、野球という共通項を通じた社会貢献。

 事業所が始まって三年目。エコボール活動も随分とあちこちに声を掛けさせていただき、ご協力
をいただいてきました。ブルーサンダーズさんとの契約も然り、チームからチームへ、横の繋がり
の広がりも然り。それは即ち、我々にもより責任が──品質が求められるという事でもあります。
 理想なのは、どれも均一な仕上がり。
 ただそれを、事業所を利用されている皆さんに「強いる」ことはできませんし、するべきでもあ
りません。私達にできるのはただ「お願いする」ことです。皆さんの元気を「祈り」ながら寄り添
って、必要とあらば各所に繋いでゆくのを惜しまないことです。今ではすっかり皆さんもそれぞれ
の作業に慣れ、日々のリズムを整えていますが、それと仕事の丁寧さを両立しようと頑張り過ぎて
具合を悪くされてしまっては元も子もない訳で……。勿論、皆さん真面目なのですが、ここの所の
拡大の動きと併せて、私達も利用者さん一人一人に向ける眼差しが粗雑になってしわないようにと
自戒するのであります。

↑兵庫ブルーサンダーズさんへ、ボールを取りに伺った際にて。
やはり球場に集まる人々というのは、いつ見ても良いものです(心の向きが似通っている)

金ゴマ始めました~農福連携とあれこれ~

 月に一度ほど、しかもこちら(足跡)とつぶやきを行ったり来たりするものですから、どうして
もぱっと見の時系列に間が空いてしまう……。
 お久しぶりです。束の間の桜が散った後はすぐに濃い緑となり、此処「ドリームボール」の風景
もすっかり初夏の装いです。日差しが差し込むと鮮やかさを増す緑。或いは迫る曇天と雨に曝され
てくたっと滴る緑。先日、列島の大半が梅雨入りしたようです。何かしら痛みを抱える利用者さん
が多いという性質上、気温差や気圧的な意味でしんどくなりはしないかと心配ではありますが。

 さて、この二ヶ月弱の間に新しい動きがありました。それはこの西脇市の特産品として増産が進
められている「金ゴマ」栽培への参加です。農業の担い手を備えるとともに、障害者の就労の場を
生み出そうと市が今年から始めた事業で、当事業所からも(外作業に携わってくれている)数名が
参加しています。金ゴマは菓子店などで用いられ高値で取引されますが、良質のものを作るには手
作業の工程が多く手間が掛かるため、栽培面積は年々減少しています。そこで市では遊休地を活用
した専用ファームを用意し、参加事業所の皆さんの手で一から作り上げて貰おうと発案しました。
農作業を通した気分転換と社会との接点の体感、ひいては一般就労の切欠になればとの思いで始ま
った農政・福祉連携の事業です。先月から土を作り、肥料や種を蒔きました。草引きや収穫、選別
作業などを経て十一月頃出荷の予定です。文字通り、参加した皆さんの身や心が花開く結果がもた
らされればいいなと思っております。

 当「ドリームボール」も開所から三年目を過ぎ、こうして様々な方面との接点を持てるようにな
りました。有難いことです。勿論、それらが全て利用者さん個々人の“救い”となる保証はありませ
んが、少なくとも目に見える分岐点・選択肢が増えることはそこへと向かう一助にはなる筈です。
相変わらず私達には環境を作って見守り、寄り添って、必要があれば専門機関に繋ぐといったこと
くらいしかできませんが、少しでも皆さんの中のセカイが明るく広くなればと願うばかりです。
←環境を作る、その一例(クーラーの設置)
「NHK歳末たすけあい基金」より、網戸ともども設置することができました。