ドリームのつぶやき ~利用者・スタッフの声~

移ろう中で変わらないこと

 どうもお久しぶりです。

 案の定、正月明けの余韻に浸っている暇もなく、気が付けば2020年最初の月もあっという間に終
わりが近付いてきました。元号が変わって最初の一年、スポーツに携わる身としては、勿論オリン
ピックイヤー。今年もやることなすこと、各種イベントが目白押しであるようです。年末の間際に
簡単ながらご挨拶をしたためましたが、本年も改めて就労継続支援B型「ドリームボール」を宜し
くお願い致します。

 ──さて勝手ではありますが、来月より同作業所内の人員配置が、施設長(サービス管理者)及
び事務長を中心とする体制へと移行してゆきます。当面は理事長も外部などとの繋がりを考え、籍
を残したまま対応を続ける予定です。予めご了承ください。次の五年・十年、支援の場を継承して
ゆく環境作りと、これまで個々のマンパワーに頼り過ぎてきた内部の改善を見据えての判断です。
 できる事はなるべく簡単に、手間を取られないように。
 利用者さんだけではなく、スタッフの側も“支援”できるようなシステム作りを目指したいなと
考えています。暫くは内々でもたつき、日頃の過ごし易さにも支障が出るかもしれませんが、可能
な限り配慮を欠かさず臨む所存です。どうかご理解とご協力のほどを。



 と、こちらの都合ばかりをお知らせして記事に換えてはみるものの……実際にはそう上手く帳尻
が合ってくれる訳でもなく。

 当然と言えば当然なのですが、内部的にあれをしようこれをしようと試行錯誤を繰り返す中であ
っても、利用者さん一人一人は他でもなく「今日」を生きているのです。或いは「明日」の自分が
どんな風になるのか? と少なからぬ不安を抱えながら、それぞれの傷病と闘っている……。

 私達スタッフの側が忘れてた訳では決してないのですが、そういった忙しなさは、なるべく気取
られずに済むよう立ち回るべきなのだろうと、ここ最近は考えています。性格など一人一人違うに
せよ、周囲の人間・大人達がまとう雰囲気といったものを、おそらく彼・彼女らは敏感に嗅ぎ取っ
てしまう筈ですから(だからこそ、これまで何かしら生き辛さを抱えてきた。差異に悩んできた)
配慮? ただの痩せ我慢? それこそお互いに聖人君子ではないとはいえ、他人が見ているという
現実に意識を留めていなければ、私達はやはり「自分」の都合とタスクに埋め尽くされていってし
まうのだと思うのです。
 踏ん張らねば──二の舞になる。利用者の皆さんにとっての、いつかあった日々の感触と。

 尤も、支える側だけが「与える」ばかりでは、当人の大きな変化(治癒)は乏しいのでしょう。
こうした言い方は多少なりとも酷に聞こえるかもしれませんが、困難を抱えるご本人の自覚と向上
心、少なくとも今自分が持っている認識のままでは周りと──セカイと折り合えない。現実問題と
して求められるのは、大よそそんな心構え。では貴方はどうする? どうしたい?
 いきなり全部を壊して建て直すのは難しくとも、修正できる箇所ぐらいは見つけられる筈です。
私達のようなスタッフや医療関係者、専門の知識・経験を持つ人達と、根気強く気長に探ってゆき
ましょう。先ずはそれが、私達にもできるお手伝いです(AかBではなく、A且つB。win-win)

 今年はやれ暖冬だの、雪が降らなくて困るだのと言われておりますが、年明け前後から朝晩はぐ
っと冷えるようになっています。インフルエンザの流行に加え、先日からは新型のコロナウイルス
が猛威を振るっているとの報道もあります。

 どうか皆さま、お身体にはくれぐれも気を付けてください。ご自愛ください。
 しっかりと暖かくして芯を冷やさぬよう。心まで暗闇の中へと引きずり込まれぬよう。
 ……差し出がましいながら、ご挨拶と代えさせていただきます。

多忙、希望、展望

 こうして更新に文章をしたためる度、がっつりと季節が一つ過ぎ去っているような気がします。
やるべき事が多いというのは、それだけ毎日充実している証なのかもしれませんが……それとは別
に、私達の中の歳月自体は確実に経過しているのであって。望むと望まないにかかわらず、私達は
皆変わることから逃げられないのでしょう。

 随分と事後的な報告となってしまいましたが、先月九月一日以降、事業所内で大きな組織改編や
各方面での成果が挙がっております。先ずはそれらをリストアップすることで、当座の報告と代え
させていただきたく思います。

・第二事業所(キャッチボール)を開設
・諸事情により、相談支援業務を停止(HP内加筆済み)
・利用者さんの一人が新しく、正式にスタッフとして昇格・登用
・FAX番号を新設(電話番号と同じだったものが、別々に分かれました:HP内加筆済み)
・事務方や作業補助など、スタッフの増員(上記二方面+αとなった環境への対応)
・金ゴマクッキー(農福連携事業)が、スイーツ甲子園・本大会へ進出
・エコボールの注文多数御礼 ……etc

 特に大きな変化は、第二事業所とそれに伴う私達スタッフの動きでしょうか。元々の、ふれあい
スタジアム内に居を構える「ドリームボール」は基本そのままに、同じく市内大野の物件をお借り
しての新設となります。現状は人口密度的な意味合いで、分散して作業をする場といった位置付け
となっていますが、今後はもっとそれぞれに独自色を持たせる(そして自由に選択できる)ことが
出来れば好いですね。
 何より利用者さん達も、外に内にと日々頑張ってくれています。エコボールは新皮の提供を始め
て丸二年近くになりますが、今では多くのリピーターと好評をいただけるようになりました。ただ
如何せん、数が膨大になるが故、複数を並行しての作業──お待たせする時間が長くなってしまっ
ているように思いますが。外作業は公園内整備は勿論、金ゴマ畑や市内の草刈り委託、地元企業か
らもお仕事をいただけるようになっています(ここ暫くはぐっと冷えてきましたが、夏の盛りなど
は本当に大変でした。頭が下がるばかりの奮闘ぶりです)内職も細々、より柔軟に利用者さんが出
来ることを探し、今春より本格化したクッキー事業もお陰様で各方面から注文をいただいて、連日
イベントへの参加・納品で大変忙しく動き回っております。
(上記第二事業所とスイーツ甲子園に関してましては、別途「活動の足跡」でも更新予定です)



 ……多忙に目を回すことは、利用者さんを始めとした関わり合う皆さんへの眼差しを、ともすれ
ば忘れがちであるさまを正当化する理由にはならなくて。

 そもそも皆にこれからも安心して「ドリームボール」「キャッチボール」で過ごして貰えるよう
に、成長してゆく場に繋げて貰えるように、事務的なあれこれに奔走している訳ですが……そこは
本来、利用者サイドに悟らせてしまうべきではないのかもしれません。理想として。変に気遣って
気遣われて、結局心や体が“疲れて”しまったら──元も子もないのです。

 確かに現実の一般社会では、そんな中々目に見えない消耗戦がイコール生きることと認識されて
いる節はあるのでしょうが、同じように強いてしまっては何の為の支援なのか? せめてその強度
だけでも緩やかなものとして、予行演習としてゆっくりじっくり向き合い、一つ一つ着実に階段を
昇ってゆく環境を保つことを意識する。他人よりも優しく、他人よりも敏感で、故に社会と呼ばれ
るもの等と掛け違わざるを得なくなってしまった人々を、私達は援ける──そこだけはブレれては
いけない。投げ出された先の受け皿、セーフティネット。勿論世の中自体が変わってゆかなければ
根本的に正されない問題は少なからずあっても、吐き出されるべきは恨み節ではなく、ではどうす
ればいいか? に収斂してゆくべきだと考えます。幸いにも此処に集まったスタッフや利用者さん
達には、その力があると私は信じています。

 まだまだ物理的にも精神的にも多忙な日々が続くと思われますが、今後ともご理解とご協力をい
ただければと存じます。

今、幾つ目の壁を前に

 多忙なものでという言い訳──今となっては枕詞のようなものですが、遂には月を跨いで先月の
進捗を載せ始めたり、そもそもの更新頻度がまた開いてきたり。

 お久しぶりです。今年は全国各地で梅雨入りが大幅に遅れ、まるで尺を巻くかのように夏本番、
猛烈な暑さが途端にやって来た……という印象が強いですね。
 去年も言われていたと記憶していますが、災害級。一昔と同じような気候だと考え、作業してい
れば、気付かぬ内に倒れかねません。こと必ずしも体力的に恵まれているとは限らない利用者さん
達を預かっている分、慎重にも慎重を期さなければ。日中涼む場としても、この時期は機能すれば
上々ではあるのでしょう。

 この三ヶ月の間に、変わったものとは何だろう? 誇れるもの、惜しまれるものは何だろう?

 B型作業所という性質上、尚も利用者さん達の出入りはあります。それでも一時に比べれば大分
落ち着いてきたかな? とは思えても、やはり去っていった方のその後というのは気がかりになら
ざるを得ないもので。私達に何が足りなかったのか? ご本人や周囲の人々が抱える問題は、はた
して解決に向かうのだろうか? 一般社会では、しばしば「どちらが悪いか?」という切り口で他
者を評価しがちですが、少なくともそういった烙印だけでは酷く零れ落ちてしまうと思うのです。
掬い切れないと思うのです(ただ昨今の動きを見ていると、寧ろ粗い目を細かくしてゆこうという
働きかけ自体を疎ましがる向きもあるようで、何とも……)

 少し人手の増えた、新旧エコボール。職人組。
 連日の酷暑の中、公園内整備や草花の水やり、金ゴマ作業などに勤しんでくれる外組。
 注文ラッシュもとりあえず落ち着き、新メニューや次なる展望を描くクッキー組。まだまだ活発
に動き回るには段階(ステージ)が遠いけれど、それぞれのペースで日々閉じ籠もりから抜け出し
て頑張ってくれている内職組。

 厳しい暑さも相まって、体調を崩しがちな利用者さんも少なからずいます。或いは厳密に季節と
は関係なく、痛んで足を止めてしまった日々が続けば続くほど、焦って自他を責めてしまう場合も
ちらほらと観測されます。……もどかしいですが、最終的には一人一人が乗り越えてゆく他ないの
です。私達が辛うじて出来るのは、シェルターとしての場を作り、思いを聞くこと。勿論その思い
さえも、当人自身が上手く言語化することもままならないケースも多いのですが……。正直な所、
話さなくとも察せる部分と(直接・間接的にでも)話して貰わなければ判りようのない部分という
のも現実問題、存在します。そこを如何に聞き出せるか? 大前提となる信頼を構築できるかどう
かが、私たち支援側の腕の見せ所──と言えば、聞こえは良いのですけれど。

 話題は変わりますが、先日地域の集会へ講師として呼ばれ、ドリームボールの活動紹介を中心と
した講演をさせていただきました。その際、古参の利用者さん達からも二名、自身の経験を交えた
スピーチを行って貰いました。それぞれにコツコツと自分の階段を昇ってきた、準スタッフ二名。
お互いの性格が色濃く反映された内容であり、かなり緊張していましたが、出席された方々からは
大きな反響。やはり当事者の、生の声というものはインパクトが凄かったようです。当の彼ら自身
にとっても大きな経験・ステップになったのではないでしょうか。
(心配事があるとすれば、多かれ少なかれ自らの経歴をカミングアウトしたことによる、精神的な
疲れが襲ってくること。勿論個人差はありますが、当人にしか分からない反動のようなダメージと
いうのは、得てして後れてやって来るものです……)

 一つ、また大きな壁を乗り越えて。

 ドリームとしてまた一つ新しい試みを通過した高揚があったとはいえ、はてさてそんな“冒険”
ばかりが彼・彼女らの為になるのだろうか? という問いかけを自分に。確かに根本のハンディに
関わる部分を始め、利用者さんそれぞれに克服すべき課題は多岐に渡るとしても、その全てが真正
面から立ち向かう他ないとは限らない。時には時間を掛けてゆっくりと越えて行く類のものかもし
れないし、或いは他に代替できる道もあるかもしれない。そもそも本人をがっつり摩耗させてまで
絶対に越えなければならない──避けて通ったって構わない壁だってたくさんある筈だと。レール
に敷かれた道、俗に信じられる“ただ一つの道”以外を通ってきた・通らざるを得なかった子達が
大半を占めるからこそ、目の前に広がっているのは「線」ではなく「面」だと教えるのも、私たち
支援側の仕事なのかもしれません。やるという意思、すべきという倫理(美意識)さえ揃えられれ
ば、可能性とは数多に開かれているのだから。

 茹だるような暑さ、燃えては燻ってきた熱量。

 願わくは一人でも多く、また季節が巡ったその時、本人にとっての何番目かの壁達が越えられて
いますように。正面からでも横からでも、或いは回り道して開いたその先に視える世界が、彼らの
今後を生きる後押しになってくれますように。


陽射しの如く厳しさも

 飛び石に開所していたのもありますが、怒涛の大型連休も、今となっては遠い過去の出来事のよ
うに感じられます。そろそろ五月も終わりが近く、もう一ヶ月もすれば今年もあっという間に折り
返し。振り返れば振り返るほど、月日の流れとは早い早いと驚くばかりで、それは即ち自分自身が
すっかり年齢を重ねた証なのだなあ……と。

 やるべき事・やりたい事が山積し、日々忙しなく動き回っている間に季節はすっかり初夏の装い
となりました。先日小休止のように雨降りだった日もありますが、従来の暦とは合致しない厳しい
暑さが早くも現れています。皆さんも、どうかお身体ご自愛の程を。

 季節の変わり目を過ぎてゆく寒暖差に加え、個々人のコンディションによる部分も少なからず。
 連日利用者さん達には、とても頑張って貰っております。
 公園整備や草刈り、今年も始まった金ゴマ作業──外作業に汗を流す面々。少しずつ置かせてい
ただける場所も増え、水面下で新しいメニューも模索し始めたクッキー作りの面々。或いは内職、
新旧エコボールを担ってくれている、まさに“職人”と呼んでも差し支えない中作業の面々。

 お蔭さまで、修理依頼も随分頻繁に寄せられるようになりました。一球一球、利用者の皆さんが
丹精込めて縫ってくださっていますが──如何せんここ暫くは件数・球数ともに多く、嬉しい悲鳴
ではありますが、中々すぐにお届けできるという状況ではなくなっています。当初に比べれば人手
も増えつつあるとはいえ、やはり限度があるようです。先方より求めがあれば、なるべく対応でき
るように致しますが、必ずしも受注した時系列通りには進んでいません。優先度が前後することも
ありますので、予めご理解・ご協力のほどを宜しくお願い致します。
(来訪の都合や個数上の捌け易さなどにより。或いは何度かに分けて修理・納品という形を取らせ
ていただいております。大よそ三桁に届き出すと……月単位で嵩んでしまう感じでしょうか?)

 一旦梅雨を挟むだろうとはいえ、これから益々暑くなってゆきます。外作業・中作業に拘らず、
こまめな水分補給と休憩を取るよう指導しています。僅かばかりとはいえ、賃金を伴う“労働”に
よる程よい疲労感は、間違っても心身を壊すほどの過剰なものであってはなりません。利用者さん
達が、それぞれの作業を通じて働く喜び、社会(他人びと)に貢献しているという充実感を得られ
てこその事業だと私は考えます。

 ……ただ、そう理想を優しさを掲げようとも、現実ってものは厳しい。こと経営的な意味で。

 A型事業所や私達のようなB型を含め、昨今の関連法の改正の中で、その運営はより厳密さを求
められるようになっています。即ち「自分達で得た収入から、工賃を支払いなさい」等々。
 障害者福祉という性質上、どうしても補助金(公金)を頼りにする部分は存在します。そしてこ
れらは元々、市民の皆さんの税金な訳ですから、支給する側も受け取る側もその辺はしっかりして
おくに越した事はない……。しかし現状、各事業所がそれぞれに独立して収入を確保するというの
は、携わる人間が人間だけに中々難しい。実際そういった面で維持できなくなり、閉鎖せざるを得
なくなった事業所さんもあちらこちらで散見されています。

 とはいえ、せっかく所属してくれた利用者さん達に「キリキリ働け!」と鞭打つような真似は如
何なものか? そもそも私達のような事業所を訪ねて来られるような方は、何かしらの理由・切欠
でハンディキャップを抱えた方ばかりなのです。そんな彼らに対し、収入確保の為にとあからさま
に負荷を掛けた所で“健常者”には敵わない。何より痛み病まれた、かつての二の舞になってしま
う可能性が、少なくはないのですから。

 ……勿論障害の有無を問わず、仕事を通じて他人と関わる、生活の糧を得つつ社会に貢献すると
いうのは、人間として避けては通れない道の筈です。どれだけハンディを抱えていても、得手不得
手が他人より極端でも、ある程度そこを乗り越えて“成長”しなければならないのでしょう。して
ゆくべきなのでしょう。その為の創意工夫、環境作り──私達が担うべきはそんな、もっと広い意
味での「仕事」を作り出すことなのでしょうし、画一的とは限らないそれを社会に根付かせてゆく
ことなのだと考えます。福祉、特に就労支援という枠組みにおいては、切っても切り離せない命題
の筈です。いつぞやの“生産性”だけで、人の価値が決まってしまうのは酷(こく)過ぎる……。

 歳月、季節の移ろいそれ自体で疲れてしまう利用者さんもいます。何より個々人の中で今も尚、
心身のコンディション──振れ幅が大人しくなってくれない方もいます。闘い続けています。

 現実問題として運営の厳密さを求められはするものの、なるべくその皺寄せは直接利用者さんに
は向かないようにしたいですね。キリキリとまでは言いませんが、ある程度「社会人」として胸を
張れるぐらいの勤労意識の醸成は目指したくとも、それも全部ケースバイケースです。一人一人の
今立つ段階(ステージ)に応じて、負荷の上限は大きく違う。願わくば、私達支援者の側が口煩く
言わずとも、自ら“気付き”を得る中で押し上げていってくれれば好いのですが……。

 安らぎだけではなく、いつの日か、己を奮起させられるような場所であれれば。

 飴と鞭──などと言えば、些か厳しく聞こえてしまうかもしれませんけども。

皆の心の春を待つ

 寒さの底からも気付けばすっかり遠退き、入れ替わり立ち代わりに差す陽の暖かさの方が、段々
とその存在感を増したように思います。ばたばたっと、また月日の流ればかりが早い──特に今年
は、何かにつけて枕詞に「平成最後の」がくっ付いてくるせいで余分な物寂しさが付きまといがち
ではありますが、それでも春の訪れというのは気持ちの良いものです。

 年が替わって早丸三ヶ月──最初の四半期が過ぎようとしている今日この頃、皆さま如何お過ご
しでしょうか? 一時のことを思えば随分と暖かくなったとはいえ、まだ季節の変わり目で天気も
頻繁に変わります。(主に気圧や日照による)体調の変動には、くれぐれもお気をつけください。
ようやく芽吹きの頃合いとなってから寝込むというのは、身体以上に精神も大きく参ってしまいが
ちですので……。

 此処B型作業所「ドリームボール」も、早いもので開設から丸四年超、五回目の春を迎えようと
しています。前回つぶやきでも言及しましたように、併設の相談事業所も動き出し、利用者さんの
定員数も十人から二十人へと増えました(手続き上のあれこれ。厳密には平均の実働人数でもって
換算されます)更にかねてより水面下で進めていたもう一つの新事業・クッキー作りも、先月よう
やく初出荷にまで漕ぎつけられました。
 調理師免許を持つ利用者さんを中心に、交代でサポートに入ってくれている職員達も。
 本当によくここまで頑張ってくれました。お疲れ様です、ありがとう。今は初動の段階で、暫く
の間は注文対応に忙しいでしょうが、一旦落ち着きさえすればもう少し自分達のペースを優先させ
てゆくこともできる筈です。何より市農林課など行政、及び各方面の皆さんには多大なるご支援を
いただきました。簡単にではありますが、改めこの場を借りて最大限の感謝を。福祉事業所という
性質上、まだまだ至らぬ部分もあるとは思いますが、今後とも温かく見守ってくだされば私どもと
としても幸いです。

 西脇市の特産品である「金ゴマ」及び「苺」を使ったクッキーとなっております。現在、道の駅
や北はりま旬菜館(農産物直売所)などで販売中です。同市観光・訪問時のお土産にもどうぞ。
(※小規模な事業所のため、一度に作れる数量には限度があります。予めご了承ください)

 ようやく新事業らも一段落がつき、されど息をつく間もなく今度は年度替わりのあれこれ。

 月日の流れは本当にあっという間ですね。実際嘆いている暇もなく、やるべきことは次から次へ
と現れる。全ては私達が始めたこと、この先この場所が五年十年と続いてゆく為ではありますが、
日中の多くを外回りに費やしていると、はてさてあの子は元気にやっているだろうか? あの子は
一歩前に踏み出せただろうか? 等々気がかりが過(よ)ぎることしきりです。
 それでもここ暫く、私が事業所を空けて走り回れるのも、職員に加えて利用者さんの中から各々
の「仕事」を任せられるほどの人材が出てきた──この居場所を託してゆける環境が少しずつでも
整い始めてきた証であるのだろうなあと、内心嬉しくもなります。
 疲れる身体と相殺し、いや、紛らわせて。そんな未来図を楽しみにしながら。
 まだもう少し、頑張らなければ。彼らからら貰ったエネルギーも含めて、少しでも世の中に恩返
しが出来るように。与えることの喜びを知れば、彼らの人生もまた豊かなものになる筈……。

 しかしながら実際は──いや、このような事業所だからこそ──利用者さん全員がそう上手く進
んでゆける訳ではありません。
 中々どうして、誰もが回復と落ち込みを繰り返して。余裕をもって定員を増やしたとはいえ、そ
の全員がコンスタントに元気な顔を見せてくれている訳ではなく。
 地道にコツコツと通い続け、自分なりの「出来た」を積み重ねてきた利用者さんもいれば、未だ
自らの抱える症状に苦しみ、今も闘い続けている利用者さんもいます。或いは病の深刻さ(心身の
ハンディキャップは勿論の事、それ以上に社会性諸々としばしば衝突する当人の性質的問題)それ
自体と未だ向き合えない利用者さん、そもそもドリームボールを含めた「外」側へ出向くことも今
は辛いという利用者さんも、その時期その季節においては散見されるというのが現状です。

 季節は一巡して前に進んでいるのに、自分はと言えば……。

 病の原因・背景は人によって様々ですが、少なくとも貴方一人「だけ」に帰する訳ではないし、
同時に貴方「以外」にばかり求めるというのもまた違う筈です。大よそ問題と呼べるものは、いつ
だってお互いに絡まり合うことで難しくなってしまいますが、それは一方で見方を変えれば絡み合
う双方の在り方を見直す──解(ほど)いてやることで、解決に向かい得るのだとも言えるのでは
ないでしょうか?

 基本は落ち着き、ゆっくりと痛んだ傷を癒せる場所を用意すること。信じて見守り、待つこと。
 ただ場合によっては──根治という意味で、専門の医師等とも相談しながら──私達もより能動
的な対応が求められてゆくのかもしれません(どの段階で干渉になってしまうのか? その辺りの
線引きが、福祉に携わる人間にとっては一番の難問になる訳ですが……)